今回ご紹介する転調は、#やbが4つ以上変わる時の転調です。
こういった遠い調(五度圏上で) への転調では、段階的に転調させると自然な流れを作れ出せます。例えば#が2つずつ増えていく、もしくは、#が1つ増えて次に3つ増える、という感じです。
ここでは、CメジャーからEメジャーに転調する場合で説明します。Eメジャーは#が4つになります。ここで中間に#2つの調であるDメジャーを入れてみましょう
コード進行の例です。
上記のコード進行の音はこちら。メロディも加えてみました
上の図では、Cキー、Dキー、Eキーがそれぞれ重複していますが、各調のスケールを見ていただければ分かるように、例えばEm7はCキー、Dキーのいずれのスケール上にも存在する音から構成される和音になるからです。
各調のスケールは以下になります。
さらによく見ていただくとDm7→G7はCキー上でのツー・ファイブ(Ⅱ-Ⅴ)の進行になっています。ツー・ファイブというのは、簡単に言えば、 ダイアトニック・コードの2番目のコードから5番目のコードに進むコード進行のことを意味します。
この数字は、和声記号の意味するところと同じで、Cを主音とした時の和音(Cのダイアトニック・コード) と和声記号は以下の通りです。
同じくEm7→A7はDキー上でのツー・ファイブになりますね。そして最後の F#m7→B7→Eの動きは、ツー・ファイブ・ワンというドミナントモーションと言われる動きになります。
こうした、ツー・ファイブ(・ワン)は転調にもよく使われる動きで、今回のような段階的な転調の際には有効ですので、意識して使ってみると良いかと思います
余談になりますが、ツー・ファイブ・ワンってよく耳にしますよね。ジャズやポップでよく使われるコード進行です。
Ⅰ(ワン)は安定和音でトニック(T) 、Ⅴ(ファイブ)は不安定和音で緊張を与える響きのドミナント(D)、Ⅱ(ツー)はVほどではないが不安定和音のサブドミナント(SD)。ツー・ファイブ・ワンはSD→D→Tという動き、つまり、緊張から安定に解決される動きになります。
ちなみに和声学では、こうした安定→不安定→安定という振り子の揺れのような動きの和声単位をカデンツと呼んでいます。
今回はここまでですが、また転調に関しては随時更新していけたらと思います。
最後まで読んでいただいた皆様ありがとうございました。
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