緊張したり興奮する時に、手に汗を握る、と言いますよね。
それを精神性発汗と呼ぶのですが、その汗を計測して、緊張や興奮具合を見ることができるセンサーがあるんです。しかもスマホのイヤホンジャックに繋いで簡単に測れるウェアラブル版があるんです!
こちら、Mindfield Biosystems社のeSense Skin Responseです
センサーを2本の指の腹部分に取り付けて、スマホに繋ぎ、専用のアプリ(無料)を立ち上げると測れます。
音楽を聴いた時のGSRセンサデータの波形がこちら。
これはラフマニノフのピアノ協奏曲2番を聴いた時のです。序盤からジワジワと盛り上がってくるにつれ、私の感情が盛り上がって来てるのが、丸見えですね笑
変なことを考えても丸見えになるんで注意が必要です!
ちょっとだけマジメな話。
人の汗腺は交感神経系によって制御されているので、精神的に生じる汗を、GSR(Galvanic Skin Response,皮膚電気反応)として捉えることで、心理的・生理的な覚醒を定量的に測ることができます。
例えば、突然外から刺激を与えられて驚いたり、何か考えて感情が高まると、汗腺細胞も一時的に興奮して精神性発汗が生じ、皮膚の電気抵抗が減少します。
その抵抗値の変化を計測したのが、こちらのGSRセンサなのです。アプリ上での単位はμS(マイクロジーメンス)なので、抵抗値の逆数で表現されています。
GSRはSCL(skin conductance level)とSCR(skin conductance response)という2つの成分に分解することができます。
SCLは図の上部のような緩やかな基線の変動でSCRは下部のように瞬間的に現れる小さな波のことです。
SCLは長い区間を俯瞰的に見ると、どのあたりで感情が高まったかが分かり見やすいです。SCRも面白くって、何か刺激が与えられると、約2~4秒後に小さな波が現れるんです。ハッとしたりすると、小さなピークが現れて見ていると面白いです。
こんな感じです。
ちなみに、今回のアプリ上ではこの2つの成分は分離されず混在されたままで表示されています。
参考文献:B. Figner, R. O. Murphy, “Using skin conductance in judgment and decision making research”
さて、ここからは色んな音楽で測ってみたので、私の生体信号を晒します笑
Taylor Swift の Delicateを聴いている時。アプリが自動で、minとmaxでスケーリングされるので、すごく振れ幅が大きく見えますが、縦軸をよく見ると0.8付近でしか変化していないので、私の感情はそんなに動いていないようです。
曲自体はクールで好きなんですけどね。
Greatest Showman のThis is me を聴いた時。This is me!とノリノリで聴いていたら、すごく跳ね上がりました!
Ariana Grande の Break Free ft. Zedd、大好きなので聴いていたんですが、夜遅くて疲れていたので、睡魔に襲われてしまいました・・・ってのが、データにしっかり現れてる〜〜(Arianaさんゴメンなさい)
いかがでしょう。思った以上に、内面状態がデータに現れてくれて面白いです。特に最後のなんて眠いのがバレバレです。授業中にGSRセンサつけられてしまうとヤバイですね笑
最後に、GSRを利用してみようと思われる方へ、私の経験上から思いつく注意点です。
①大きなイベントで高覚醒の直後は、次に中イベントがあった場合、精神性発汗は相対的に下がってしまいます。このような場合は、安静を挟むことをお勧めします。目を閉じると一気に発汗が落ち着きます。
②センサを巻きつける手は、どちらでも良いですが、動きが激しいとノイズが入る恐れがあるので、なるべく動かさない方の手につけてください。また、指へ巻きつける強さは、強すぎてもいけないですし、弱すぎてもズレてしまうかもしれないので、丁度良い巻き加減調整が必要です。
③個人差があるので計測できない可能性もあります。 (多汗症の方は安定しないことがあります)
④寒い時期は汗腺が閉じて測れない場合があります。
⑤風呂上がりは精神性発汗以外の温熱性発汗が生じているので安定して測れない場合があります。
購入サイトは以下となります。(送料入れると150ユーロくらい)
https://www.mindfield.de/en/Biofeedback/Products/Mindfield®-eSense-Skin-Response.html
今回は、なぜかECG計測用の電極がついてきました・・・いらない笑
最後まで読んでいただいた皆様ありがとうございました。
